HBS在校生・卒業生のブログ

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この日本人学生公式Blogの他にも、HBSの在校生・卒業生で個人でブログを書いている人もいます。HBSでの2年間の生活がどのようになるか、どのような機会があるのか、をイメージするのに役立つかと思います。

  • ハーバードMBA挑戦記 (Class of 2017)
    在校生のAkiさんのブログ。受験やHBSでの生活全般について書かれています。
  • ハーバードMBA 起業奮闘記 (Class of 2016)
    在校中にNatureを創業された塩出春海さんのブログ。HBS在学中に起業を目指す場合にどんな機会があるのかが分かります。
  • Two years at HBS (Class of 2015)
    匿名かつ英語で書かれておりますが、HBS日本人会の方です。HBSでの生活全般について書かれています。
  • HBS留学記 (Class of 2014)
    湯浅エムレさんのブログです。HBSでの学業やクラスのみならず、Japan Tripやボストン日本人会の話など、課外活動でどのような機会があるかがよく分かります。東洋経済での連載もお勧めです。
  • Built to Last (Class of 2011)
    HBS日本人会の方です。キャリアについて主に書かれています。
  • 石角友愛のシリコンバレー便り (Class of 2010)
    石角友愛さんのブログです。HBSでの生活に加えて、その後のキャリアまで含めて書かれています。
  • Harvard Business School Grill日記 (Class of 2009)
    TYさんのブログです。MBA受験、HBSでの学業を主に書かれています。
  • 愛の日記 (Class of 2008)
    卒業後、シリコンバレーでDrivemodeを起業し、経営されている古賀洋吉さんの熱いブログです。総合偏差値30でもハーバードには入れるImpossible is nothingといった古賀さんの考え方には刺激を受ける人も多いのではないでしょうか。HBSでの生活からその後のキャリアまで含めて書かれています。
  • ハーバード留学記 (Class of 2006)
    卒業後、ライフネット生命の共同創業者となり、経営されている岩瀬大輔さんのブログです。「ハーバード留学記 資本主義の士官学校にて」というタイトルで書籍化もされています。

これらに加えて、パートナーがいらっしゃる方は「ハーバードMBA奥さん暮らし2016」を参考にされることをお勧めします。ボストンでの生活に役立つ情報がふんだんに盛り込まれています。

HBS授業紹介: U.S. Healthcare Strategy

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HBSはInitiativesとしていくつかの領域の強化をしており、Healthcare Initiativeもそのうちの一つだ。日本人の視点からするとなぜヘルスケア、非営利の分野でないのか、と思う人もいるかもしれないが、米国ではヘルスケアはGDPの17.8%を占め、インフレ率以上の成長を続ける民間主導の産業であり非常に重要度が高い(2015年)。おまけに、国民一人当たり$8,508 (約92万円)も使っていながらOECD Health Statisticsによれば、医療の質はOECDの国の中でも低い位置にあり、HBSとしても「どげんかせんといかん」というわけだ。

U.S. Healthcare Strategyは元McKinsey、元Kelloggの教授であるLeemore S. Dafnyが開講しているコースだ。Leemoreは特にヘルスケアに関する公共政策の分野ではかなり知られた教授。

2017年のコースは半セメスター(約8週間)で、扱うケースは米国のヘルスケア業界の幅広さを示すように、病院、クリニック、製薬、保険とかなり幅広い。具体的には病院では保険と診療の垂直統合モデルであるKaiser、水平統合のケースであるPartners Healthcare、クリニックは透析クリニックのDaVita、保険は米国のAffordable Care Act成立後に急伸したOscar、Preventive careに焦点をあてたOak Street Healthなど、それぞれの分野で注目すべき企業・組織が選択されている。教授が経済学に強いためか、視点は公共政策に近く、マクロ経済やミクロ経済の視点を多く用いる。具体的に扱うコンセプトの例は、垂直統合モデル、水平統合モデル、代替財・補完財、規模の経済・範囲の経済、など。買収に関連して、独占禁止法や米国の訴訟プロセスについても触れる。HBSの1年目の必修では特にミクロ経済はさわり程度でほとんど扱わないため、必修科目との重なりはかなり少ない。

教授のファシリテーションはうまく、結構バシバシと突っ込んでいくし、生徒同士で議論もさせる。学生はMD/MBA (医者とMBAのダブルディグリープログラム)、元ヘルスケア業界、Public Health履修の学生が多く、業界の知識がかなり出てきたりして生徒同士の議論からの学びも多い。米国のヘルスケア業界に知見がない人はついていくためにやや努力が必要だが、毎回ハンドアウトが配られるので、要点を掴むのは難しくはない。

授業の負荷は普通からやや重い程度。元々業界の知見がある人であれば、ケースや資料をすんなり読めるのだろうが、僕のように米国ヘルスケア業界に知見がない人にとっては、その度に調べることが出てきて、やや時間がかかる。例えばMedicare Advantageとは何か、Primary、Secondary、Teritary Careの定義は何か、などは知っていることが前提として議論がなされるため、授業についていくためにはそれらを知っている必要がある。僕は最初はさっぱりわからなかったので、新しい単語が出てくるたびに毎回Googleで検索をしていた。

全体として、ヘルスケアに興味のある僕としては非常に満足度が高いコースで、5段階中4.5くらいの評価だ。米国の広大なヘルスケア産業をこれだけ全体感をもって説明してくれる授業は初めて。公共政策的な観点も企業視点の科目が多いHBSでは新鮮。また公共政策的な観点のみならず、企業視点としてもヘルスケア業界の特殊性を活かしてどんな戦略がありえるか、ということを扱い、これも非常に学びが多かった。

製薬業界をもとに学びの具体例を挙げると、ジェネリックが入ってきて独占的な利益を失うことを防ぐために、①Product Hopping (同じ効能の薬を容量や摂取方法などマイナーチェンジをすることで新たに特許を取得して、独占的な利益を享受できる期間を伸ばす)、②Pay-for-Delay (ジェネリック薬製造企業に金銭または金銭的価値があるものを払うことによってジェネリックが入ってくる時期を遅らせること)、③Shadow Pricing(独禁法に触れない範囲で競争相手に価格上昇でシグナルを送り、お互いに価格を上げる行為)など。業界ごとにこういった学びがあり、卒業後に米国ヘルスケア業界で働く人に対しては履修を強くお勧めできる授業だ。来年は1セメスターを通してのコースになるようなので、より深く、広くアメリカのヘルスケア業界が学べると思う。

一方、かなり業界特化した授業なので、得られる学びは他の規制が強い業界にも適用できる(電力などインフラ系など)と思うが、ヘルスケア業界に関心がない人にとっては他の授業を履修した方が良いかもしれない。

HBS授業紹介: Launching Tech Ventures

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HBSでは起業家教育に力を入れており、起業家向けのコースも多い。米国ではテクノロジー系の起業が特に多いこともあり、テクノロジー系の起業家育成に焦点をあてたのが、この”Launching Tech Venture”だ。教授はJeffrey RayportJeffrey Bussang。僕の履修している授業の教授はJeffrey Rayportで、Ph.Dを持ちながらPEや起業家としての経験も豊富な、ハイブリッドタイプだ。

2017年のコースでは半セメスターで、扱うケースはほとんどがシードからSeries Bくらいまでとアーリーステージの企業を扱う。ケースで扱われるビジネスはアメリカでのトレンドを反映してか、ソフトウェア系が多く、マルチサイドプラットフォーム(Amazonやメルカリなどの売り手と買い手を結びつけるサービス)やSaas (Service as a software)の企業を扱う。有名どころだとRapid SOSなど。扱う分野はプロダクトマネジメント、グロースハック、ビジネスディベロップメントで、学ぶコンセプトの代表例はPMT (Product Market Fit)、LTV (Life Time Value)、CAC (Customer Acquisition Cost)、Sales Learning Curve、など。基本的には1年目の必修であるTEM (The Entrepreneurial Manager)で浅く学んだ科目をテック企業に焦点を当ててもう少し深めた科目だ。

僕は元々プロダクトマネジメント、グロースハックに近い仕事をしていたために、これらの分野は元々仕事でやっていたことを整理するのに役立ったレベルだが、ビジネスディベロップメントについては新しいことが多く、学びが多かった。最初のSales責任者の選び方、Sales Learning Curve、Sales Cycleの長さとインパクトの大きさのトレードオフをスタートアップでどう考えるか、など知るのと知らないのでは営業やパートナーシップチームを設計するかで大きく差が出ると思う。

教授のJeffreyは生徒の議論のファシリテーションがうまく、しかも取締役会さながらに突っ込んだ質問をしてきたりと、生徒からの発言をうまく引き出している。話し方もエネルギッシュで、退屈させないし、毎回のケースからのTakeawayもしっかり説明するため、何を学んでいるかが明確だ。

最も良い点が、ほぼ毎回、ケースの当事者の起業家が来ることだ。授業の後半20分はケースの当事者からの議論を聞いての感想と、当事者への質疑応答に使われる。その後、ランチまたはコーヒーチャットのセッションが用意され、そこでより深い質疑応答をすることができる。起業家は年齢が同じくらいな人が多く、彼らから生の体験を聞ける機会は、かなり貴重だ。

要求されるケース自体のワークロードは軽め。ただ、Optional Readingや毎週日曜日に補足として扱ったトピックに関するブログや記事を全て読めばそれなりの量になるし、各トピックについての理解を深める助けになるので、学びたい人にとっても期待に応えられる授業になっている。

全体を通して、僕にとっては5段階中の3.5くらいの満足度。元々同じ業界にいたためか、得られた学びは他の授業と比べると少なかった。元GoogleでProduct Mangerをやっていた友人も同じような感想を抱いていた。一方、コースの内容としてはテクノロジーのスタートアップで働く人に役立つ学びが多く含まれており、教授も良いため、前職まででこの業界に経験がない人であれば4以上となると思う。

HBS授業紹介: Founders’ Dilemma

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HBSの授業の中で視点を広げてくれたり、知識を増やしてくれるものは多いですが、Founders’ Dilemmaが最も僕の人生観に影響を与えた授業です。この授業の教授はShikhar Ghoshという2社を上場させ、Forbesの正面をJeff Bezosと飾ったり、インターネット業界で最も革新的な10の企業のCEOに選ばれたような有名な元起業家。授業はHBSの選択授業の中でも上位5つに入るほど人気で、起業家を目指す学生が多く履修している科目です。

授業では起業家が直面する様々な課題(例えば、共同創業者の株式の割合はどうすべきか、家族を経営陣に入れることはどのような影響があるか等)について扱いました。実践的な学びも多かったですが、人生という大きな枠組みで考えた時に、彼が最後の授業で残してくれたアドバイスがとても良いと感じたので、共有したいと思います。

僕らが重要だと思うことは、必ずしも重要ではない

僕らは他の人が自分のことをよく見ていて、自分の言ったことを覚えていると思っている。一方、僕らは相手のことをどれくらいよく見ていて、相手が言ったことを覚えているだろう? 僕らが自分のことを考えるように、誰もが皆自分のことを考えている。僕らが恐れるほど、他の人は僕らの失敗に対して構わないし、関心を払ったりしない。他の人にとって、あなたの失敗は大したことはない。

また、僕らは幸せについて考えるとき、今の状態と「こうしていれば」の状態を比べ、差を大きく見積もりすぎる傾向がある。実際には、差はそんなに大きくはない。宝くじで一億円当たった人と、事故にあって障害をおってしまった人の一年後の幸福度の差の研究によると、どちらのケースも幸福度に優位な差はない。

好奇心に従い、人生で来たものにオープンでいたほうが、幸福でいられるだろう。

人間関係を大切にすること

幸福の研究によれば、教育、収入、職業、宗教などは幸福度に影響を与えない。幸福度に影響を与えるのは、人間関係。金銭と異なり客観的に測定できないために見過ごされがちだが、いかに深い人間関係を築けたかが幸福度に影響を与えることを覚えておくべき。

  1. 家族に週に一度は連絡をすること
  2. 兄弟姉妹をサポートすること
  3. 深く、長く続くような友人関係を築くこと
  4. 人と過ごす時、常にその場に意識を集中すること

自分を知り、意義あることに時間を使うこと

医療は人の健康に、法律は正義に貢献する。ではビジネスは何に貢献するのだろう? なぜそのビジネスをやるのか、意義(Purpose)を考えてやったほうが良い。ある人は自分の体験からその意義を見つけるだろうし、ある人はやってみて後から気づくこともあるだろう。人生は思っているよりも短く、成し遂げたいことをするための時間は限られている。自分の限られた時間を何に使うかを決めるべきだ。自分を知り、自分にとって意味があることに、時間を使ったほうが良い。

* * * * *

クラスの最後の授業で、彼は自分の人生について語ってくれました。若くしての経済的・社会的な成功と、その後の様々な苦難。彼のストーリーは、僕らが人生で一体何を成し遂げたいのか、自分にとって何を成功と定義するのか、どうすれば幸福に生きられるのか、について多くの洞察を与えてくれました。

僕らは、人からの評価を気にして物事を決めていないだろうか。自分の周囲の人を大切にできているだろうか。意義あることに時間を使えているだろうか。この授業を受けた後に、これからの人生、特に人間関係(relationships)と意義(purpose)については自分が自分のなりたい姿に近づけているかどうか、定期的に振り返るようになりました。

教授、コンテンツの質が非常に高く、参加している生徒のモチベーションも非常に高く議論が盛り上がるため、もし起業を将来考えているならば間違いなくオススメの授業です。

HBS Global Networking Nightのお知らせ

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10/19(水)に六本木のBrewdog Roppongにて19時よりHBS Global Networking Nightを開催いたします。HBSの卒業生が集まるイベントでして、HBSへの応募を考えている方もwelcomeですので、こちらよりチケットを購入し、ぜひいらしてください!

HBS訪問でのキャンパスの回り方

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Round 1が近いためか、10月は日本から訪問される方が多い月です。在校生にコンタクトされている方は在校生が案内する場合が多いかと思いますが、特にアポイントなしで来られた時のHBSについての回り方について書いてみます。前提はTaxi、UberやLyftでOne Western Avenue側に着いたことを想定しています。地図はこちら

HBS定番観光コース (約50分)

    1. iLab/Batten Hall (10-15分): Harvardの学生を対象とした起業推進のための施設で、One Western Avenue側にあります。ビジネスアイデアとチームを申請して、承認されると無料のコワーキングスペースとして使えます。無料の飲み物やスナック、壁一面をホワイトボードとして書ける会議室、仕切りや決まった席のないレイアウト、などアメリカのコワーキングスペースらしい特徴を持った施設です。起業の際の法律やコーディングなどに関するレクチャーも月に2度くらいのペースで行われ、参加することができます。iLabの見学が終わったら、北のSpanglerへ移動してみましょう。
    2. Spangler Lawn (5分): Spangler前の芝生です。9月などまた暖かいうちは朝に1年生がグループでディスカッションをしている姿が見れます。晴れた日のお昼には食事をしていたり、ケースを読んでいる人が多いです。夕方にハッピーアワーが開かれたり、アイスクリームが配布されたりとHBS生がセクションを越えて集まる場所になっています。芝生はよく手入れされており、夏、秋はいつもみずみずしい緑の芝生があり、過ごしていて気持ち良いです。12月以降は雪に覆われていることが多く、寒さに震えながらHBS生は春を待ち望むことになります。ベンチに座って少しのんびりしたらSpanglerへ入ってみましょう。
    3. Spangler (10-15分): Spanglerは教室棟のAldrichに並んでHBS生活のメインとなる棟です。1FにはSpangler Diningという食堂があり、ビュッフェ形式の食事に加え、その場で調理してくれるサンドイッチ、アジア系、日替わりのメニュー、カフェなどがあります。学生の多くがお昼はここで食事を買って、食堂内の席や外で友人と食べます。食堂以外の1Fはロビーになっており、ケースを読んだり、PCを操作していたり、会話を楽しんでいるHBS生の様子が見えます。ロビーはかなり豪華で、ホテルのロビーのよう。Diningが空いていればコーヒーを買って、ロビーで休んでも良いかもしれません。地下に行くと、Spangler Grillというもう一つの食堂やケースを受け取るためのポスト、郵便局のUPSSや生協があります。地下から地下通路を通ってAldrichという教室棟に移動してみましょう。
    4. Aldrich(10分): Aldrichは教室棟です。教室には010、011などと番号が付いています。1年生は同じ教室で授業を受けるため、1年生の教室には常に名札が置いてあり、どの教室が1年生の教室かわかります。HBSはケースディスカッションが主な教授法のため、教室はすり鉢型になっており、どの席からでも議論に参加しやすいようになっています。一番上の段の席は教室全体が見渡せるためにSkydeckと呼ばれ、多くのセクションではSkydeckがその週に起こった面白い出来事や面白い発言を金曜日に発表したりします*。授業中でなく、教室が空いていれば、様子を見ても良いかもしれません。
    5. Baker Library (10分) : Aldrichの教室を見終わったら、1Fに上がる、もしくはAldrichから地下通路を使って、Baker Libraryに向かいましょう。Baker Libraryは1Fがロビー、3FがLibraryになっています。3FのLibraryは学生証がないと入れないですが、入り口から中は見えるので覗いてみましょう。机がいくつもあり、時間帯によってはケースを読んでいるHBS生が見えるかと思います。Libraryもかなり綺麗な造りで、ホテルのようです。中の見学が終わったら、正面から出て、チャールズ川の方へ向かいましょう。振り返ると、米国旗とHBSの旗が風ではためいている裏にBaker Libraryが立つという、なかなか絵になる光景が見れます。写真を撮るのも良いかもしれません

Harvard Squareから川を渡って来られた方であれば、順序としては逆になります。

他にもジムのShad、学生寮のChase、Morris、家族用のアパートであるOne Western AvenueやSoldiers Field Park、Executive用の近代的で立派な施設であるChaoやTataなどもありますが、基本的には学生か居住者しか入れないために、個人で見て回るには上記の5施設が基本的にはメインとなるかと思います。春、夏は外が気持ち良いので回るのにはオススメですが、冬も地下通路があるのでSpangler、Aldrich、Baker Libraryがあるので学内を回るのはそこまで大変ではありません。

参考になれば!

*Skydeck: 一例を挙げると、僕は汚職に関する授業で、教授が「汚職の定義は公的機関に勤める人に金銭・あるいはそれに相当するものを渡して自分に便宜を図ってもらうようにすること」と言った時に、「アメリカではdonationとして政治家にお金を渡して、ロビー活動を行い、自分に便宜を図ってもらうようにしているけれど、それと汚職はどう違うのか?」、と質問したらクラスから笑いが起きて(シニカルな見方を直接的に質問したからでしょうか)、それがSkydeckになったりしました。

HBSの二年目

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いよいよRC (Required Curriculum、一年生)が入学です。私が入ってからあっという間に2年、卒業してから3ヶ月が経ってしまいました。先般RCの一年を振り返りましたので、今回はEC (Elective Curriculum、二年生)の一年を振り返ってみようと思います。

 

9月: EC授業開始。RCよりも一週間遅く始まります。私は夏季休暇中もBostonにいたので、RCがキャンパスに引っ越してくるのをしみじみと眺めていました。HBSでは、RCは全て必修科目で選択肢は無いのですが、ECは逆に全て選択科目となるので、自分の興味に即した取りたい授業を取れるよう組み立てを考えて抽選に臨みます。8月に抽選結果が出ますが、授業開始後の1週間はShopping periodと言って、自分の取っている授業が本当にフィットしているか、変更したい候補の授業はどんなものか、を確認する期間となります。その後Add/ Dropという授業の最終選択を経て、前期に自分の取る授業が確定します。

私は(1) Authentic Leadership Development、(2) Building and Sustaining a Successful Enterprise、(3) Corporate Strategy、(4) Negotiation、(5) Private Equity Finance、の5科目を取りました。どれも人気授業なので良かったですが、特に好きだったのはNegotiation。Negotiationに入る前のセッティングから、実際のテーブルでの交渉まで網羅的にカバーされており、数字の分析から感情のマネジメントまでNegotiationに必要な要素を幅広く学びます。Caseを基にした交渉シミュレーションをやるので自分のスキルの上達も確認でき、とても良く出来たコースでした。

 

10月: 私は実はRCの期末試験が終わった一週間後に子どもが生まれ、ECから新たに”Crimson Parents”というクラブに入りました。これはその名のとおり、子どもがいる生徒が入るクラブで、毎週のように子連れでのイベントがあります。また今のDean (学長)はとてもこのクラブに協力的で、季節ごとに彼の家や庭を開放してイベントを催してくれます。10月はHalloween Partyがありました。さすが本場だけあり、親も子どもたちも気合いの入った仮装で参加していました。

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11月: 米国で11月と言えば、Thanksgiving! 日本の正月のような位置付けで、アメリカ人は皆帰省して家族で過ごします。当然学校も休みになるので、International studentsはここぞとばかりに旅行に出かけます・・・が、私は小さい子どもがいるのでボストンに残留。すると、学校から、ボストンに残っていて寂しい(?) International students向けに連絡があり、希望者は教授の家のThanksgiving partyに招待してくれるとのこと。こんな経験中々出来ないと思い申し込み、妻と子どもを連れてMark Roberge教授の家に行ってきました。彼はHubspotという米国の気鋭のMarketing関連StartupのChief Revenue Officerを勤めており、売上を100倍(!)にしたという実績を持ちます。実際に会ってみるととても気さくで温かく素晴らしい人柄で、彼のご家族・親族との大切な食事会に混ぜて頂きました。日本で元旦にアメリカ人の留学生を自宅に呼んで、お節とお雑煮を御馳走するようなもの、と言えば分かりやすいかもしれません。七面鳥の丸焼きをはじめ、Thanksgiving定番メニューを頂き、ご家族と団らんしました。

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12月: あっという間に前期も終わりです・・・が、その前に、Paper(期末レポート)の締め切りとExamがあります。RCは全科目Exam、決まった時間に全員受けるシステムでしたが、ECは科目によってExamの代わりにPaperを提出する科目もあり、またExamも3~4日間の指定期間中に各自で時間を決めて受けるシステムとなっています。噂には聞いていましたが、Paperはとても大変です。Examは泣いても笑っても4時間前後で全て終わりですが、Paperは凝りだすときりがありません。合計で一科目につき数十時間は使ったと思います。自分の好きなトピックス、企業についてPaperを書けるので学びもその分大きいですが、とにかく大変でした。そしてExamも、相変わらずのプレッシャーで、四時間鬼に追われている気分です。これらを切り抜けた後、漸く1ヶ月強にわたる冬休みに突入です。勿論Crimson Parentsのクリスマス会もありました。

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1月: 年越しは、ECの同期と、Kennedy Schoolに通う同期が我が家に来て、すき焼きを食べた気がするのですが、ちょっとお酒を飲み過ぎてしまったのであまり記憶がありません。お酒は飲み過ぎると良くないということを学びました。

さて、1月は第二週からJanuary termという3週間の期間が設定されており、希望者はここで短期集中型の授業を取って、卒業に必要な一単位とすることが出来ます。私はHBS唯一の日本人教授、竹内先生が主催する大人気のJapan IFC (以前はIXPと呼ばれていました)に参加したくて、抽選順位をかなり上にして提出しました。そして実際に取れたのですが、妻と子どもをボストンに残して日本に行くのも心苦しかったため、泣く泣くDropし、代わりにHarvard Law Schoolの授業でM&Aを扱うものを取りました。KennedyやLaw、はたまたEducationやPublic Healthなど、他学部のレベルの高い授業を取れるのもHBSの良さの一つです。

January termが終わった翌週、1月最終週からEC後期が始まります。私は(1) Reimagining Capitalism、(2) Managing, Organizing & Motivating for Value、(3) Power & Influence、(4) The Microeconomics of Competitiveness、(5) Independent Project (Strategy)の5つを取りました。Independent Projectとは自由研究のようなもので、自分で題材を決めて半期費やしてPaperを書きます。私は在Bostonのとある事業主の戦略について研究、アドバイスしました。またMicroeconomics of Competitivenessでは、日本の競争戦略について中国、台湾、インドネシア人のチームメイトと共にPaperを書き、非常に有意義な気づきを得ました。

 

2~3月: HBSはFacultyと学生の結びつきをとても大事にしているので、Thanksgiving以外にも教授とのDinnerの機会があります。2月はBenjamin Edelman教授と、David Collis教授と食事しました。特にDavidはCorporate Strategyの教授で授業を取っていたこともあり、日本企業のポートフォリオ経営についての話に花が咲きました。

そしていよいよ卒業が迫って来たこともあり、友人とのDinnerや飲み会が引っ切り無しに開催されます。我が家では、昨年度のCharity auctionで出品したSushi, Sake, Scotch Nightを漸くHostしました。そろそろ皆進路が確定しているので、卒業後の話で盛り上がります。ロンドンのヘッジファンドに行く人、家業を継ぐ人、在学中の起業を続ける人、不動産会社に行く人、など様々な話を聞くと、自分も彼らと同窓会で会ったときに肩を並べられるよう、価値のある仕事をしていきたいという思いを強くしました。

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4月: RCは5月まで授業がありますが、ECは4月で通常の授業が終わり、Exam & Paper期間に突入します。が、昨年から、選択授業の最終コマの後三日間にBridgesという全員必須参加のプログラムが追加されました。RCのSectionでもう一度集まり、二年間の学びを振り返ったり、これから行く業界のイロハを教授から教えてもらったりするプログラムで、Sectionで最後に集まってHBS生活を締め括るというものです。皆これまでの思い出を振り返って涙を浮かべたりしており、かく言う私も最初の学期の席に座り、LEAD(Leadership & Organizational Behavior)の教授が最後のCase Discussionを開始した時に色々な思いが込み上げてきて涙が出てしまいました。

三日間通じてのテーマを大まかに纏めると、

(1) 幸せに生きること。キャリアや金銭的な成功が幸福な人生に繋がるとは限らない。家族関係での失敗は仕事では取り返せない。

(2) 善き人であること。我々一人一人が世界を変えるミッションを背負っているのだから、自分の能力を悪用したり人を不幸にしてはいけない。

(3) 卒業後の職場では、謙虚でいること。学歴をひけらかして傲岸不遜な態度を取ってはいけない。次の職場では自分が一番知識が無いし、自分が一番結果も出していない。周囲の人に好かれ、助けを得て、チームに貢献していくこと。

というものでした。散々経営知識を学んできた最後の〆として全員にこのような学びを与えるのは、近年HBSが変わってきている証左だと思います。

二年間で読んだCaseと教科書。

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5月: いよいよ卒業式です。渡米からあっという間に1年10ヶ月が過ぎてしまいました。卒業した今でも、在学中にこれをしておけば良かった・・・という後悔は何も無く、入学前に入念な計画をして、また現地での気づきを基に都度修正しながらやりたいことをやることが出来て、本当に良かったと改めて思います。満足いくほど勉強でき、家族と充実した時間も過ごせ、一生の友人も作れ、最高の2年間でした。

思い返すと、受験の時には卒業生の方々に大変お世話になったので、自分も後輩に還元することでその恩返しをしていきたいと思います。

Class of 2016の塩出くんがTech in Asiaで特集されました

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Nature.Incを経営している塩出くん(Haruumi Shiode)がTech in Asiaで特集されました。彼の経験がNature.Incの創業にどう繋がっているかのストーリーが描かれています。

https://www.techinasia.com/sailboat-1000-mile-journey-business

また、Tech Crunchなどのメディアでも取り上げられています。

A device called the Remo spots a market for automating wall mount air conditioners

Kickstarterのプロジェクトも引き続き行われています。応援よろしくお願いいたします。

HBSの一年

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5月26日にCommencement(卒業式)を迎え、二年生はHBSから卒業して人生の新たなステージに向かいます。思えばあっという間の留学生活でした。皆さんに具体的なHBS生活のイメージを持って頂けるよう、一年生の時の一年間を振り返ってみたいと思います。

2014年8月:入学式。Section発表の時はどきどきわくわくでした。

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今期の授業は(1)Leadership & Organizational Behavior、(2)Marketing、(3)Technology & Operations Management、(4)Financial Reporting & Control、(5)Finance 1。これに加えてFIELD1と2をやります。

 

日本でも話題になっていたALSアイスバケットチャレンジ。私はちょっと斜に構えていましたが、ここではHBS卒業生の兄を持つクラスメイトが「兄がHBS在学時代にALSを発症してしまい、同級生と共にPrize4LifeというNPOを設立した。みんな協力してアイスバケットチャレンジに参加して欲しい」と言って参加者を募っていて、私も心を打たれて参加しました。

 

10月:日本人同級生でJapan Nightというイベントを開催しました。HBSのイベントスペースを借りて手作り日本食(だし巻き卵、牛丼、手巻き寿司、たこ焼き、etc)と日本酒を100人分提供しました。100人以上が参加する大盛況ぶりでした。

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この頃はCaseを読むのに四苦八苦していたので、一日に7~9時間くらい授業以外で勉強していました。そんな中あっという間にFIELD1が終わり、FIELD2の国発表。私はペルーに行くことになりました。

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12月:期末試験。試験についてここでは詳細触れませんが、4-5時間でCaseを読んで、自分が主人公だったらどうするかを1,500-2,000語で書きます。試験中は、鬼とか人喰い巨人に追われて全速力で走って逃げているような感覚になります。(私だけ?)

試験前にも関わらずオン・オフははっきりしています。Section対抗ドッジボール大会。

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1,2年生でウェスティンホテルを貸し切る、Holidazzleという大きなパーティもあります。ブラックタイ着用。女性は華やかなドレスですが、日本人女性は着物を着てとても人気者になっていました。Section毎に部屋が分かれてDinnerをした後、ダンスフロアに集まって踊ったり飲んだりします。翌週から試験なのに皆とても遅くまで遊びます。三十路が目前の私は0時前に退散。

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2015年1月:FIELD2。リマ最大のホテルチェーンがクライアントで、ビジネス客の利用を促進するためのプランを考えました。チームメイトのバックグラウンドは投資銀行、戦略コンサルティング、ヘルスケアコンサルティング、某巨大オンラインショッピング会社、米空軍。グループのプレゼンテーションも高評価でしたが、私が日本で働いていた時の経験を元に空き時間に経営陣に向けて話した小さなアイデアも即採用されることになりました。

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月末から教室での授業も開始。今期の科目は(1)Leadership & Corporate Accountability、(2)The Entrepreneurial Management、(3)Strategy、(4)Business, Government & The International Economy、(5)Finance 2。更にFIELD3で起業をします。

 

2月:FIELD3開始。起業のアイデアを練って実行しながらCaseも読まなければならないので引続き時間に余裕はありませんが、前期と違ってCaseに慣れているのでQuality of Lifeは非常に改善しています。

 

4月:年度の終わりが近づいてきましたが、引続きオフのイベントも充実しています。

Section毎のチャリティーオークション。オークションに出せるものを何でも良いので出して、Section内で競り合います。落札金額は、出品者に払うのではなくSectionで纏めて、複数のGood Causeに寄付します。我々は前述のALSや、自閉症の子ども支援、グアテマラの病院設備アップグレードなどに寄付しました。何のCauseに寄付するかも、アイデアがある人がSectionにプレゼンして、皆が投票して多い順に決めました。

私はMarketingの教授が出品したボストン美術館の葛飾北斎展VIPチケット10枚セットを$100で落札しました。またSushi, Sake, Schotch Night(手巻き寿司と日本酒&スコッチウィスキー飲み放題)というイベントや、その他もう一点を出品し、合計$3,400をRaiseし結構貢献しました。私のSectionだけで$35,000以上Raiseしたので、Class全体ではざっくり$350,000程度の金額が一夜にして寄付に充てられることとなります。

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そう言えばJack Welchが来ました。気合系のお爺さんでした。本にサインももらいました。(ミーハー)

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安倍首相もKennedy Schoolに来られました。最前列に陣取って拝聴。

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5月:期末試験。気合で乗り切ります。その後はJapan Trek!!同級生を連れて、9日間で東京・箱根・京都・広島を巡ります。私が関わったExtra curricular activitiesので最も強く印象に残っています。友達も沢山増えました。まさに今現在、一年生が引率中。今年は箱根の代わりに名古屋になったようです。

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Japan Trekの後は各自インターンをしたり旅行をしたりして夏休みを過ごします。以上、HBSでの一年でした。